川上未映子(作品)を読んでいた。
同じものを見て、わりと同じようなことを考えていたりするのに
作家さんといふのは、なんて言葉の使い手の名手なのだろう。
(あれ?この言い回し、変?)
”つるつるとした百貨店” とか(言い得て妙!)
”のんきなしましま”(←横断歩道)とか。(まさに!)
そうしたら急に、
Sちゃパパのお葬式の時のことを思い出した。
パパより先にママが亡くなった時
骨壷を選んだりとか、葬儀に関するいろいろを
パパと私達6人で決めたのだけれど
パパの時は、6人だけで何もかも決めなくてはならなかった。
(叔父&叔母さん達にたくさん助けてもらったけれど)
主に長男であるお兄ちゃん&妻キョーコちゃんが中心になって
一つ一つ決めてくれた。
その葬儀場では、火葬場へ向かう霊柩車を見送る時、
クラクションとともに、鳥かごの白い鳩を何羽か空へ放つという演出がついていた。
ママの時もそうで、私達は後から「あれってオプションなのかな?」なんて
話したりしたのだった。
パパを見送る時、私達はもちろんみな泣きはらしていたけれど
クラクションとともに白い鳩が一斉に空へと羽ばたいたその瞬間
私、Sちゃ、やすちん、たかちんの4人はみな、
つい真っ先に思ってしまった。”あ、今回もハトつけたんだね。”
何を言いたいのかというとね、
川上未映子の文章を読むと、悲しみの中にいても人は笑えるってことや
人間というものの可笑しみを感じるのです。
あの後私達は真っ先にお兄ちゃんに言った。「ハト、ついてたね!」
お兄ちゃんは言いました。「あれね、サービスなんだって。」