先週は芸術の秋でありました。
『そして父になる』も観ましてん。
良かった。
是枝監督の撮り方は、やっぱり好き。
でもね、泣かなかったの。
並びの席の同年代くらいの女性三人は
揃ってグスグスしてました。
んー、どこで泣くんだ?
父親という生き物と母親という生き物の
違いを思いながら
私は、父、母、子供、
スクリーンに映る登場人物それぞれの気持ちに
同化して、でもいたって客観的に観てました。
まぁ、映画観て泣くことって
そもそもあまりないのだけれど。
地がクールなもので(笑)
テレビドラマやドキュメンタリーのほうが
うるっときます。
でもね、昨日会ったNちゃんが言ってました。
母になると、子供の姿を見るだけで
泣けちゃったりするらしい。
是枝監督は、子供を撮るのがとても上手い。
福山演じる父親に向かって
「なんで? なんで?」と疑問をぶつける
取り違えられた実の子の真っ直ぐな台詞が
耳に残ってます。
もし自分だったらと、誰もが考えさせられながら
この映画を観ると思うけれど
私がこうなってほしいと思ったラストでした。
この先も、二つの家族の前には
選択の道があらわれる。
でも、寄り添いながら、その時々の最善の道を
これからも選び取っていけるねと
そう思えた
温かい未来を感じるラストシーンでした。
今が最終決定ではない。変化する可能性もありうるよね
というような。おおらかで優しいまなざし。